売上代金の入金はどのタイミングがベストか?売掛金とキャッシュフローのバランス

突然ですが、あなたの会社では売掛金をどのような形で管理・把握されているでしょうか?

資金繰りの基本は、売上入金から考えるものです。

その管理は厳密に行っていかなければ、そもそも事業として成り立たなくなっていくことも考えられますので、売掛金の管理とキャッシュフローについて考えてみましょう。

売上は入金されて初めて資金となる

通常の事業であれば、売上は「販売」または「役務の提供」⇨「請求」⇨「入金」という流れになります。

これを書類の流れに直すと、「納品書」⇨「請求書」⇨「領収書」となります。

経営者の方であればご存知でしょうが、請求書を送って時点で安心してはいけません。

会社経営とは、キャッシュがモノを言う世界ですから、請求書(売上履歴)では会社は動かないのです。

売上は入金されてから初めて資金となるというわけです。

具体的には、会社の賃借対照表(バランスシート)の中に、売掛金という勘定科目がありますが、この数字が軒並み伸びているようであれば要注意です。

売掛金が増えるということは、会社自体の売上も伸びています。しかし、先ほども申した通り、キャッシュが生まれていないのであれば、いずれ会社のキャッシュフローを圧迫する結果となってしまいます。

ご存知の通り、売掛金には入金サイトがあり、請求⇨入金までにタイムラグが発生します。

売上計上はされているのに、資金が足りない!という状況に陥る可能性を秘めているのです。

※売掛金に加え、手形取引をされている事業主の方であれば、その受取手形の額面にもご注意ください。売掛金と同様、手形を貰った時点では資金は一円も増えていないということを意識しておく必要があります。

資金繰りやキャッシュフローを考えれば理想は現金商売

資金繰りを考えれば、理想は現金商売となります。

しかし、現実には飲食店のような業態でない限り、取引先を持つ業種の取引においては売掛を使わないというのは不可能に近いですね。

ですから、できる限り一連の流れの期間(入金サイト)を短くすることが大切です。

具体的には、販売(請求)⇨入金までの期間を短くするということです。

断言できるのは、入金時期が遅くなれば遅くなるほど、自社に運転資金が必要になってきます。

黒字倒産はなぜ起きるのか?という記事や、その他の記事でもよく話題にするお話ですが、資金繰りの基本は「入金は早く、支払いは遅く」です。どんなに体力のある会社でも、入金サイトが長ければ資金に行き詰る可能性はあります。事業規模に合わせた額の売掛金が発生するからです。売掛金を完全撤廃する!というのは現実的ではなくとも、入金サイトをじわりじわりと詰めていくことは可能です。

なぜ売掛金が増えるとキャッシュがなくなるのか?

例えば、売上が月に100万円、仕入れに80万円必要だとすると、売上が翌月末に入金されるのであれば資金が最低80万円は必要になります。

同じ取引を繰り返すとして、翌々月末の入金であれば160万円。

3ヶ月後ならば240万円・・・と、時間の経過と共に増えていくというわけです。

売上た当初の計算であれば、回っていたはずの資金ですが、これに人件費や諸経費などの固定費支払いが加わるとキャッシュが回らないという場面が出てきます。何度も言うようですが、売上は伸びているのに・・・です。

それでもギリギリで回せていたします。しかし、売掛先のリスケジュール申請というのは突然にやってきますから「あと1ヶ月だけ待ってくれませんか?」と来る可能性もあるでしょう。さらに回収が遅くなれば、それだけ売掛金の回収ができなくなり「貸し倒れリスク」も増加します。

売掛金の回収サイトを短くする方法

売掛金が会社のキャッシュフローを圧迫していると気づいてはいる方も少なくはないでしょう。

「取引先との兼ね合いもあるし、今までの支払い経歴だってある・・・今更、支払いを早めてなんて言えない」

という方もいらっしゃるでしょう。

ですが、仰る通りで一度決めた支払いサイクルを早めるとなるとリスクもあります。

当然、取引先にとっては、突然2月分の支払いが発生するわけですから、キャッシュフロー経営ができている会社でなければ、どこかから資金調達をしてきての支払いになるでしょう。

取引をするにあたっては最初の条件の取り決めが何よりも大切になってきます。

  1. 毎月◯日締めで請求をして、いつ入金されるのか?
  2. その期間をいかに短くできるか?

この2つがポイントになります。

相手の経営状態が危ぶまれるのであれば、多少売上割引をしてでも早く回収した方が良いケースもあります。

何をおいても“早く”そして、“確実に”回収することが大切なのです。

事業を始めたばかりの頃は、なかなかこちらの要求通りに行くことは少ないと思います。多少危ない会社と取引をせざるを得ない場面もあるかと思います。

ですが、それをいつまでも続けていても意味がありません。

あなたは会社を何のために経営していますか?

様々な大義名分はあるかと存じますが、つまるところ「儲けるため」ではないでしょうか?

“お付き合い”も大切です。ですが、会社にとって利益のあるお付き合いだけをするようにしましょう。人脈というのは、たくさんの利をもたらしてくれますが、一つ間違えれば諸刃の剣となります。

私は、「こんなはずではなかった・・・」と落胆する経営者の方を多く見てきましたし、利益を得るために会社経営をしているにも関わらず、人間関係を保つための取引を優先させていたのでは、本末転倒です。

実は、私が20代の頃に経営していた最初の会社がそうでした。

若くして起業したのも手伝って、仕事は奪うものという感覚は一切なく、諸先輩がたに貰う仕事ばかりを続けていました。

会社はいいように使われながらも、売上は上がっていきましたが、支払いサイトが長く、固定費の支払いが困難になり、資金繰りを余儀なくされたのです。そして、それからはプロフィールにも書いております通り、辛く長い資金繰りの毎日を送ることとなります。

事業資金の借り入れをしては、利息が半分以上の支払いをし、自分が何のために働いているのか?銀行に支払いをするために働いているのか?と、そんなこともわからなくなってしまいました。

私は、ファクタリングという手法を使い、最終的に資金繰り地獄から抜け出す結果となりましたが、あなたの会社も売掛金がキャッシュフローの圧迫をしている場合には有効な手段かもしれません。

一度、資金を整理し、必要な売掛金とそうではないものを仕分けします。

そして、日常の業務で信用を少しづつ大きくさせていき、条件の見直しをしていくことが健全なキャッシュフロー経営へと繋がっていくのです。

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当サイト管理人タナカが厳選したファクター(ファクタリング取扱会社)を一覧記事でまとめています。

今!資金が必要ではなくとも、あなたの資金繰りの手段のひとつとしてファクタリングを検討できるのかどうか?を知ることが重要です。

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