日本政策金融公庫は、銀行などの民間金融機関と比べると融資条件(金利など)が緩和された金融機関と言えます。
このページでは、日本政策金融公庫から好条件で融資を引き出すための重要3ポイントを厳選してお伝えしています。
融資申込前の参考にしてください。
同業者の先輩社長からの勧めもあり、日本政策金融公庫から借入をしようと考えています。
日本政策公庫の融資の特徴と上手な借り方を教えてください。
日本政策金融公庫から融資を受けるために
日本政策公庫はいわゆる政府系金融機関のうちの一つです。
公式サイトをのぞいてみると、その役割についてこう紹介されています。
「一般の金融機関から資金の融通を受けることが困難な小企業をはじめとする国民のみなさまが必要とする資金を供給すること(以下略)」
これから独立開業を考える方や個人事業の方なら、真っ先にお世話になる金融機関といえるでしょう。
また、単に一般の金融機関では困難な融資をしてくれるだけではなく、日本政策公庫の活用にはさまざまな利点があります。
- 銀行より好条件での融資を受けやすい(金利面/返済期間面)
- 定期預金や投資信託などの複合サービスに加入する必要がない
- 定期的な融資の見直し(事業内容の確認)などを求められることがない
まず、金利や返済期間などは銀行より有利な条件を提示されるケースもあります。銀行のように、定期預金やクレジットカード、投資信託の購入などを求められることもありません。(そもそも日本政策公庫には通帳がありません)
銀行の場合、融資が下りた後も決算書や試算表、資金繰り表などの提出を求められ、経営状況の説明をしなければなりませんが、日本政策公庫の場合は返済をきちんとしている限り、一切求められません。
つまり、きちんと返済さえしていれば問題なしとされるのです。
日本政策金融公庫が融資実行の前に審査するポイント
数々の利点がある日本政策公庫ですが、次に、融資を受ける際にチェックされるポイントについてまとめます。
まず、もっとも重要なのが、資金使途および事業計画の妥当性です。
- 本当に申し込みしただけの金額が必要なのか
- 本当に事業のための用途に絞られて使われるのか
- 融資後、事業はうまくいくのか
融資審査の際、上記の3ポイントを徹底的に調べられます。
そもそも、開業資金の場合、実績がないわけですから、経営者との面談での担当者の判断が大きなウエイトを占めています。
設備資金なら設備投資の妥当性と回収見込み、運転資金なら業績の推移を具体的かつ論理的に示す資料を作らなければなりません。これらは前項までの内容を参考にしていただければと思います。
日本政策金融公庫のセーフィティネット融資
また、日本政策公庫は、業績悪化に伴う赤字補填など「後ろ向き」の融資 (いわゆるセーフティネット融資)や災害対策資金も取り扱っています。
これは、公的金融機関ならではの特徴でしょう。政府系金融機関には「国民生活を守る」役割もあるからです。
日本政策金融公庫の書類審査の厳しさ
日本政策公庫はその性格上、「役所」みたいなものなので、書式に不備があるとすぐに差し戻されてしまいます。
外回りの担当者がみなさんの元まで来てくれるわけではなく、そのたびに何度でも窓口まで足を運ばなければなりません。
この点がデメリットといえばデメリットといえるでしょう。
日本政策金融公庫の活用術
日本政策金融公庫の貸出金は、事業計画が妥当なもので、その融資金によって事業が成功するのであれば、是非とも活用を検討していただきたい資金調達方法です。
注) 平成20年10月、国民金融公庫は、農林漁業金融公庫、中小企業金融公 国際協力銀行と統合し、「株式会社日本政策金融公庫」となりました。ただし、基本的な業務の仕組みなどは以前の国民生活金融公庫と変わりありません。
また、日本政策金融公庫とその他金融機関では、信用情報などを共有していません。
日本政策金融公庫に審査申込をする段階で作成する事業計画書などは、ご自身の経営感を高める傾向が強いのですから、ダメ元でも一度審査に出してみることをお勧めします。