
結論から言うと、ファクタリングは貸金業ではなく、違法な取引でもありません。ただし、「ファクタリング」という名前を使っていても、実態が貸付けであれば違法になります。(2026年10月更新)
このページのまとめ
- ファクタリングは法律上「債権の売買」で、貸金業の登録は必要ありません
- 売掛金の譲渡は民法で認められています(2020年4月施行の改正民法で、さらに譲渡しやすくなりました)
- 違法になるのは、偽装ファクタリング・給与ファクタリング・手数料に見せかけた高金利のケースです
- 貸金業にあたるかどうかは、契約書の文言ではなく取引の実態で判断されます
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ファクタリングが貸金業ではない理由
貸金業法でいう貸金業は、お金を貸すこと(またはその仲介)を仕事として行うことです(貸金業法第2条)。お金を貸した側は、返済を受ける権利を持ちます。
一方、ファクタリングは売掛金を買い取る取引です。金融庁も、ファクタリングは法的には債権譲渡(売買)契約であると説明しています。ファクタリング会社は、売掛先から代金を回収します。利用者が「返済」する仕組みではありません。
| 融資(借入れ) | ファクタリング | |
|---|---|---|
| 法律上の性質 | 金銭の貸付け | 債権の売買 |
| 返済義務 | あり | なし(償還請求権なしの場合) |
| 決算書 | 負債が増える | 負債は増えない |
| 審査で重視される点 | 借りる会社の信用 | 売掛先の信用 |
| 必要な登録 | 貸金業の登録 | なし |
売掛金を売ることは法律で認められている
債権は譲り渡すことができる(民法第466条)
民法第466条は、債権は原則として譲り渡すことができると定めています。
さらに、2020年4月に施行された改正民法では、取引先との契約で譲渡を禁止・制限する特約(譲渡制限特約)があっても、債権の譲渡そのものは有効とされました。以前は、譲渡禁止特約があると譲渡が無効になるおそれがありましたが、改正で売掛金を資金調達に使いやすくなっています。
ただし、特約に反して譲渡した場合、取引先との関係で契約違反を問われるおそれはあります。取引先との契約内容は確認しておきましょう。
将来の売掛金も譲渡できる(民法第466条の6)
まだ発生していない将来の債権を譲渡できることも、改正民法で明記されました。注文書の段階で買い取る「注文書ファクタリング」は、この考え方にもとづいています。
譲渡を取引先や第三者に主張するには(民法第467条)
債権を譲り受けたことを取引先(債務者)に主張するには、取引先への通知か、取引先の承諾が必要です。取引先以外の第三者に主張するには、確定日付のある証書での通知・承諾が必要です。
取引先に知らせない2社間ファクタリングでは、代わりに法務局で「債権譲渡登記」をして、第三者に対抗できるようにする方法がとられることがあります。
違法になる3つのケース
1. 偽装ファクタリング(実態は貸付け)
「売掛先が払えなかったら利用者が買い戻す」「利用者が自分のお金で払う義務を負う」といった取引は、形式はファクタリングでも、実質的に貸付けと同じ働きをします。金融庁は、こうした取引は貸金業にあたるおそれがあるとしています。
貸金業の登録がなければ無登録営業にあたり、実際にファクタリングを装ったヤミ金融業者が逮捕された事例もあります。事例はファクタリングで逮捕されるのはどんなとき?にまとめています。
2. 給与ファクタリング
個人の給料を受け取る権利を買い取る給与ファクタリングについて、最高裁判所は2023年(令和5年)2月20日の決定で、貸金業法上の「貸付け」にあたると判断しました。金融庁も、業として給与債権を買い取る行為は貸金業にあたるとしています。詳しくは給与ファクタリングの金融庁見解まとめをご覧ください。
3. 手数料に見せかけた高金利
貸付けと判断された場合、「手数料」として受け取ったお金も利息として扱われ、利息制限法や出資法の上限金利が適用されます。金融庁は、年109.5%を超える利息の契約は、消費貸借契約そのものが無効になるとしています。

違法な業者を避けるためのチェックポイント
- 契約書に「買戻し」や「償還請求権あり」の条項がないか
- 手数料の総額が書面で示されているか
- 契約書の控えをもらえるか
- 所在地、代表者、電話番号などの会社情報が公開されているか
- 個人の給料を買い取ろうとしていないか
不安な場合は、金融庁の金融サービス利用者相談室(0570-016811)などに相談できます。
参考:金融庁「ファクタリングの利用に関する注意喚起」/最高裁判所第三小法廷 令和5年2月20日決定/民法第466条・第466条の6・第467条(2020年4月1日施行の改正後)
※このページは法律上の助言ではありません。個別の契約については弁護士などの専門家にご相談ください。


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