ファクタリングを使っている途中で資金繰りが行き詰まり、破産を考えざるを得なくなる。弁護士ドットコムなどの法律相談でも、「ファクタリングと破産」についての相談は少なくありません。
このページでは、ファクタリングを利用中に破産するとどうなるのか、破産の前にやってはいけないことは何かを、裁判例や弁護士の解説をもとに整理しました。破産は個別の事情で判断が大きく変わるため、必ず早めに弁護士に相談してください。
このページのまとめ
- ファクタリングを使っていても、破産の手続き自体はできます
- すでに売った売掛金は、原則としてファクタリング会社のものです
- 架空の請求書や二重譲渡があると、免責が認められないおそれがあります
- 破産の直前に、急いでファクタリングで現金化するのは避けてください
- 何もしないで放置するのが一番危険です。早めに弁護士へ相談しましょう
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ファクタリングを利用中でも破産はできる
ファクタリングを使っているからといって、破産の手続きができなくなるわけではありません。ただし、ファクタリングの契約内容や、それまでにしてきた取引によって、破産手続きの中での扱いが変わります。
破産したときのファクタリングの扱い
すでに売った売掛金は、ファクタリング会社のもの
ファクタリングで売った売掛金は、原則としてファクタリング会社のものになっています。そのため、破産しても、その売掛金を取り戻すことはできません。
2社間で、入金を渡していない分が残っている場合
2社間ファクタリングで、取引先から入金されたお金をファクタリング会社に渡していない場合は、その分の支払い義務が残ります。破産手続きの中で、ほかの債権者と同じように扱われるのか、それ以上の責任を問われるのかは、事情によって変わります。
契約が「実質的な貸付け」だった場合
買戻しの約束など、実態が貸付けにあたる契約だった場合は、払いすぎた手数料の返還を求められる可能性があります。
ただし、2社間ファクタリングだからといって、必ず貸付けと判断されるわけではありません。破産管財人が「実質は貸付けだ」として約2,600万円の返還を求めた裁判で、買戻しの特約がなく、回収できないリスクをファクタリング会社が負っていたことなどから、債権譲渡(売買)と認め、請求を退けた例があります(東京地方裁判所 平成31年4月12日判決)。
破産前にやってはいけないこと

1. 破産の直前に、急いでファクタリングで現金化する
破産が避けられない状況で、売掛金を安く売って現金にすると、ほかの債権者に回るはずの財産を減らしたとして、破産管財人に取引を取り消される(否認される)おそれがあります。
2. 現金化したお金を、特定の相手にだけ払う
身内や特定の取引先にだけ支払うことも、ほかの債権者との公平を損なうとして問題になることがあります。
3. 架空の請求書や二重譲渡でお金を作る
詐欺罪にあたるおそれがあるだけでなく、個人の破産では、こうした行為が免責不許可事由(借金の支払い義務を免除してもらえない理由。破産法第252条)にあたるおそれがあります。詳しくは架空請求書・二重譲渡でファクタリングをしてしまったらをご覧ください。
4. 財産を隠す・処分する
財産を隠したり、名義を移したりすることも、免責が認められない原因になります。
5. 何もしないまま放置する
督促や訴訟が進むと、取れる手段がどんどん少なくなります。払えないとわかった時点で動くことが大切です。
法人の破産と、代表者個人の関係
会社が破産すると、会社そのものは消滅します。ただし、代表者が会社の借入れやファクタリングの契約で個人として保証している場合は、代表者個人にも支払いを求められることがあります。その場合は、代表者個人の破産や債務整理もあわせて検討することになります。
破産を考え始めたらやること
- 新しいファクタリングや借入れを止める
- 契約書、請求書、入出金の記録をそろえる:どのファクタリング会社に、いくら渡す必要があるかを整理します
- 倒産・債務整理に詳しい弁護士に相談する:破産だけでなく、事業を続けながら立て直す方法がないかも含めて相談できます
払えなくなったときの対処はファクタリングで払えないときはどうなる?でも解説しています。
相談できる窓口
| 窓口 | 電話番号 | 相談できること |
|---|---|---|
| 法テラス(日本司法支援センター) | 0570-078374 | 法的トラブルの相談先の案内。条件を満たせば無料の法律相談も |
| 金融庁 金融サービス利用者相談室 | 0570-016811 | ファクタリングを含む金融サービスの相談 |
| 日本貸金業協会 貸金業相談・紛争解決センター | 0570-051051 | 違法な貸付けや取り立ての相談 |
| 消費者ホットライン | 188 | 最寄りの消費生活センターの案内 |
| 警察相談専用電話 | #9110 | 脅しや悪質な取り立てなど |
2026年10月確認。受付時間は各窓口の公式サイトでご確認ください。
※このページは法律上の助言ではありません。破産・債務整理については、必ず弁護士にご相談ください。
