小規模事業主の方にとって、信用金庫・信用組合は心強い味方です。
しかし、小規模事業を展開している経営者の方に多く見られるのは、金融機関との継続した取引をしていなかったり、ギリギリまで資金繰りのことを後回しにしていたりします。
このページでは、そんな小規模事業を展開する上での信用金庫・信用組合の使い方や、資金繰りのタイミングなどを解説します。
しかし、大型スーパーの出店(3ヶ月前に出店、
その情報は1年前に入手)により売上不振となりました。今まで金融機関との取引がまったく無かったのですが、
借り入れをしなければ経営ができなくなっています。
どこの金融機関に相談したら良いのでしょうか?
小規模事業の資金繰りはまず信用金庫・信用組合に相談
冒頭の相談者の方のようなケースでは、まずお近くの信用金庫や信用組合に相談することをお勧めします。
なぜなら、信用金庫や信用組合は、地域の小規模企業や商店主を主な顧客にして営業しているからです。
大きな銀行と違い、信用金庫や信用組合は、これらの顧客を大切にしなければ存在自体が成り立たなくなるのです。まさに小さな会社のための金融機関であるといえるでしょう。
信用金庫・信用組合の金融機関の職員は、経営上の小さな問題にも耳を傾け、その場で問題解決をしてくれることが多いのです。
信用金庫・信用組合の地域密着型金融推進計画
昨今の社会情勢の変化により、金融機関を取り巻く環境も大きく変化しています。
そんな中、信用金庫や信用組合はそれぞれの役割を自覚し、「地域密着型金融推進計画」を積極的に推進しているところが多いようです。
信用金庫・信用組合の地域密着型金融推進計画
- 事業再生・中小企業金融の円滑化
- 地元企業の経営力強化
- 地域の利用者の利便性の向上
特に、「①事業再生・中小企業金融の円滑化」は、小規模経営者にとっては必要不可欠なものです。
①事業再生・中小企業金融の円滑化の詳細
(a) 創業・新事業支援機能などの強化
(b) 経営相談・支援機能の強化
(c) 事業再生に向けた積極的取り組み
(d) 担保・保証に過度に依存しない融資推進
これらのことを踏まえた御社の資金調達の流れは、(b)経営相談→(c)事業再生→(d)無担保・無保証人による融資、という形が理想となります。
小規模事業の資金繰りは早期解決が基本!
相談者の方のようなケースでは、押さえておかなければならない点が2つあります。
- 金融機関へ相談するタイミングは早期に実行しておく
- 金融機関との取引は開業時から密に行っておく
1つ目の金融機関へ相談するタイミングは、大型店の出店の情報を入手してからすぐに行くべきです。
大型店の出店の影響はある程度予想はつくはずで、その予想数値をシミュレーションして金融機関に伝える必要があります。
一般的に融資実行の確率は、業績不振時に相談に行くよりも、業績悪化前に相談に行った方が可能性は高くなります。
2つ目は、金融機関との取引は開業時から継続していなければなりません。
靴屋経営は、現金商売ですから、金融機関との取引テクニックのひとつとしてお勧めなのが、売上金の預け入れをすることです。
また、取引先への支払や公共料金などの支払いは銀行口座を通して行う必要があります。一般的にこれらの取引が金融機関に対する実績となります。
たとえば、売上金を毎日預け入れしていれば、売上が落ち込んだかどうかについて通帳を見れば一目瞭然となります。
金融機関はタイムリーにあなたの会社の経営情報を入手できることになるのです。
これは金融機関にとっては、信用増加のポイントになるのです。
逆に、まったく口座を通さなければ実体を何も掴むことができません。
このように、以前からの実績の実績の積み重ねが融資審査のスピードを上げることにつながり、また融資判断の好材料となるのです。