銀行融資を申し込む際に、通常の連帯保証人や担保などを提示しても融資が降りないことがあります。
その際に有効とされるのが、「保証協会付き融資」ですが、保証協会の利用方法や保証料などをこちらのページにまとめます。
下りやすいという話を聞いたことがあります。「保証協会」とはどういうものでしょうか。
また、保証協会付き融資の特徴について教えてください。
保証協会の概要
全国各地には52の保証協会があり、正式名称は「〇〇県信用保証協会」といいます。
保証協会は「中小企業者の金融円滑化のために設立された公的機関(全国信用保証協会連合会のホームページより)」であり、中小企業が銀行から融資を受ける際、その債務について保証することを業務としています。
簡単に言ってしまえば、保証協会が銀行に対してみなさんの借り入れの保証人になってくれるということなのです。
銀行から見ると、 万が一、借主が返済できなくなった場合には保証協会が代わって返済してくれるため、リスクを避けることができます。ですから、融資の審査も通りやすいのです。
保証協会付きの融資を受けるには、まず、そもそも保証協会の保証を受けることが可能か確認しなければなりません。
保証協会利用時に提出を求められる書類
保証協会利用前に求められる書類
- 決算書
- 試算表
- 資金繰り表 など
※通常の銀行融資と同じく、これら決算書や試算表、資金繰り表などの提出を求められます。
保証協会の保証料について
審査が通ると融資は実行されるのですが、保証協会ももちろんタダでは保証してくれません。借主の財務状況に応じた「保証料」を支払わなければなりません。
借り入れ金額の0.45%〜20%程度(地域によって若干異なります)の保証率が借主の信用力などに応じて決められています。※ただし、一般的には1%台が多いようです。
つまり、融資の利息に加えてさらにもう1%の費用が発生することになります。
保証協会つき融資を受ける際の注意点
次に保証協会付き融資を受けるときの注意点をまとめます。
まず、当然のことですが、保証には限度額がありますから、その枠をいっぱいに使い切ってしまうと、それ以上保証は受けられません。
また、 証協会がみなさんの借り入れを保証してくれるからといって、それでみなさんは責任なしというわけにも当然いきません。
原則として経営者は連帯保証人になりますので、万が一、会社が返済できなくなった場合、一旦は保証協会が肩代わりしてくれますが、今度は保証協会が(銀行に代わって)経営者に返済を求めます。ですから、いずれにしろ借りたお金はきちんと返さなければならないのです。
保証協会付き融資は確かに使い勝手がいいのですが、銀行がプロパー融資(保証協会なしの融資)をまったくしてくれないということは、それだけみなさんの会社の財務内容に対して良い評価をしていないということです。
銀行から保証協会付きばかりを勧められたり、保証協会を付けることが融資の条件になっていたりする場合には、早急に財務改善に手を打たなければなりません。(プロパー融資を受けられないと、保証枠の範囲内でしか借り入れができないことになります)
保証協会つき融資とプロパー融資をうまく組み合わせていくことも、スムーズな資金繰りには必要です。
なお、保証協会の保証制度の中にはセーフティネット融資や売掛金担保融資など、通常の融資制度とは別枠のものもあります。詳しくは保証協会もしくは金融機関や商工会議所などでお尋ねいただければと思います。