中小企業が金融機関に融資の申込みをする際には、ほとんどのケースで決算書の提出を求められます。
決算書内の数値は、その会社の経営状況そのものを物語っているからです。
しかし、いくら決算書良くても融資が否決になってしまう企業があることも、またその逆も然りです。
このページでは、融資申込み前に準備できる「決算書以外の有力資料の作り方」や、金融機関があなたの会社のどのようなポイントに注目しているかを解説しています。
はじめて金融機関から資金調達を試みようかと思うのですが、
決算書以外に注意することはありますか。
決算書以外の注目ポイントは「定性分析」
決算書以外のポイントとしては、定性分析があります。
ここでいう定性分析とは、財務数値(決算書など)に表れない、その会社の経営者や経営方針、その会社の特徴等の評価の事です。
これらの数字以外の部分は、その会社を取り巻く環境から始まり、経営者や会社の内部の状況などを分析していきます。
定性分析の項目
具体的な定性分析項目は以下の12項目。
定性分析項目 | |
市場動向 | 会社が参入している(しようとしている)市場分析 |
景気感応度 | 景気に左右されやすいか否か |
市場規模 | 現在の規模と今後の見込み |
競合状態 | 現在の状態と今後の見込み |
業歴 | これまでの実績と歴史は |
経営者・経営方針 | 資質・熱意・信念・行動力とビジョン |
株主 | 有力な株主がいるか |
従業員のモーラル | 働きやすい環境でモチベーションは高いか |
経営基盤 | これまで築き上げてきたものの磐石 |
競争力 | 業界内での力・商品力・製品力 |
シェア | 商品・製品のシェアは |
経営者の個人資産力 | どれだけあるか |
今回のような定性分析は定量分析とは違い、非常に点数化しづらい面があります。
また最近、金融機関によってはこれらの定性分析をあまり重要視していないところもあるのは事実です。
しかし、金融機関側から見ても、決算書の数字だけで評価することは、大変な危険も伴います。それは、会社というものは数字だけでは、理解できない部分も数多くあるからです。
また、中小企業の場合、決算書の評価だけでは、金融機関から借入をするのは非常に難しい面がありますから、会社としても定性面でよい評価をしてもらうために働きかけると共に、定性評価項目について自社の優れている点を自らアピールできるようにしておきましょう。
定性分析で特に注目したいポイント
次にあげる項目を特に注意してみてください。
定性分析で特に注目したいポイント | |
経営者 | ・個人資産を一覧表にまとめておく ・会社の経営内容を説明できるようにしておく ・経営についての信念・理念が明確か |
会社独自の特徴 | ・技術力・競争力 ・従業員のモチベーション ・職場の雰囲気 |
環境 | ・市場分析と自社の位置(どこで戦っているのか) ・利害関係者 |
これらの項目を書面化し、明確に自社の強みを金融機関等に説明できると、定性評価も良くなります。
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