国政が促進するABLとは?中小企業貸付金の変化について

こちらのページでは「ABLってなんなの?」という疑問に答えます。

ABLとは?

ABL(Asset Based Lending)
企業の商品や在庫、農家が保有する農畜産物、運送業者のトラックなど、動産や売掛債権を担保に資金を貸し出す仕組み。 動産・債権担保融資。

コトバンクより引用:https://kotobank.jp/word/ABL-676859

これまで融資に対して担保価値があるものは不動産や有価証券・現金預金などでした。

ABLは、日本銀行始め、国政でABLの取り組みが盛んになってきた昨今、動的資産や債権の担保価値を見直した制度です。

ABLの需要と市場規模

国をあげての取り組みを行っておりますので、間違いなくこれからの資金繰りに外せない内容になってきます。(まだまだ認知されていないのが現状ではありますが…)

お気付きの方もいらっしゃるとは思いますが、ファクタリングや電子記録債権(=でんさい)もこのABLに入ります。ですから、ABLという言葉そのものの普及はしていかないかもしれませんが、それに付随するサービスや金融機関が打ち出す商品名がこれからどんどん認知されていくでしょう。

 

日本銀行が提供している資料を元にお話を進めていきたいと思います。

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上記はABLの市場規模を表すものです。

上の表が日本国内全体での融資実行額と残高です。
2009年をピークに融資増額から回収へと向かって行っていることが解ります。

下が米国のABL残高です。
日本のものとは規模そのものが違いますし、倍々で規模が拡大していっていることが解ります。

日本経済は米国に倣っていますので、米国のように市場を拡大していきたいのが日本国の狙いと言えるでしょう。

実際に、2013年にはでんさいネットが大々的にスタートしていますし、特に中小企業への支援が目的の制度とも言えますので、あとはシステムの普及だけ…といったところでしょう。

日銀から各銀行へABL資金の補充

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国政の一環ですので、日本銀行から各銀行へABL軍資金を供給しています。
(名目:成長基盤強化支援資金提供)
その規模も大きく、大手都市銀行には約765億円、地方銀行には約390億円です。

注目すべきは ※対象となっているABLの中で担保となっている売掛金は、214億円 という注約が入っていることです。

日本銀行がこの注約を入れてくることは、こちらの資料の指し示す意味(見るべきポイント)がそこである!ということですね。

ABL取り組みにあたって銀行が打ち出す要項とは?

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読み解きづらい資料にはなりますが、日銀から各銀行へのABL貸付要項とも取れる資料が出ています。こちらの指針が各銀行への融資原則となっているでしょう。

これまでの原則

<情報の把握>
「財務諸表を使用した静的情報の把握」とあります。
「課題」とある「粉飾の可能性」「企業実態の変化に対する認識の遅れ」ですが、これまでの財務情報の把握の仕方では打診の段階で粉飾や融資後の業務形態の変革に気付いていけなかったということです。

「融資手法」に関しては、格付けに基づく融資額の検討をしていたということです。
これでは、型にはめてしまって、現代の動きが早いベンチャー起業や、物流業界には着いていけなくなってしまったんですね。

<今後の可能性>

動的情報の把握
財務諸表や決済書などの静的情報では見ることができなかったキャッシュフローシートやネットワーク情報を提出してもらいこれからのクライアントの可能性を加味する方向性です。
これは、中小企業の経営者にとっては、ものすご〜く有難いことです。

それに伴い、将来性のある起業に対してはABL(売掛債権、在庫)のモニタリングにより、格付け以上の融資も考慮する方針です。

すごく明るいですね。

まとめ

ABLはこれからの中小企業を支える枠組みとなっていくことでしょう。

これらの情報を見てみると、国政に関心が出ますね。
我々は、日本に暮らし、その対価として税金を支払います。
その税金がどのように使われているのか?というのは毎年(特にこの申告の時期は)気になるところです。

私の経験から言って、国の指針をいち早くキャッチすることで得をすることは多いです。
金融や不動産、投資に関するカテゴリでは特にそうですし、制度によっては早期に取り組むことで補助金が出ることもあります。

今回の場合も、国政の指針から日銀からの貸付金、各行への要項(原則)などが読み取れました。
ということは、これから特にウエイトを置いてABL貸付を実行していくということです。

ひとつ感じたことは、普及率を考えると日本人にはABLの代表格であるでんさいよりもファクタリングの方が馴染みがいいのかもしれません。
それは、でんさいネット開始が2013年というのに対して、ファクタリングは開始から10年以上経過していることからもわかります。
システム全体を導入しなければならないでんさいよりも、ファクタリングのような売り切り型の方が日本人には受け入れられやすいのかもしれませんね。

 

関連記事|でんさい(電子記録債権)とファクタリングの違いは?

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