メインバンクの融資担当者とはうまく付き合っているでしょうか?
このページに来たあなたはきっと、自社の経営のために銀行融資を利用しているものの、日常的に銀行員とどのように付き合っていけばいいのか?を疑問に思っていらっしゃることでしょう。
銀行は晴れの日に傘を貸し、雨の日に取り上げる
こんな風によく言われますが、私も残念ながらその通りだと感じています。
我々、中小企業経営者は資金繰りを銀行に100%頼ると痛い目を見ます。
このページでは、金融機関の融資担当者と日常的な付き合い方や、好印象を残しておくことによるメリットなどをまとめています。
まずは融資担当者を専任で決める
設備資金の借り入れをしているものの、金融機関との付き合い方がまだよくわかっておりません。
現在、メインバンクにしている銀行は会社から近いという理由で口座を開設しました。(便利がいいかなと)
利用頻度は月末の支払いの時だけです。
今後、仕入れ資金などでもお世話になりたいと考えているのですが、付き合い方は今のままでいいのでしょうか?
ご相談の内容から、既存の銀行との付き合いの仕方が少し希薄な印象があります。
まず、第一段階は、取引銀行で担当者を決めてもらい、社長自身と融資担当の行員が日常から交流できる環境を作ることが重要です。
担当者を決めるには、銀行訪問時に融資担当窓口に直接相談すると良いでしょう。
担当が決まったら定期的な情報交換を!
第二段階として、行員との情報交換をします。
行員からの“お願い事”は、積極的に受け入れる姿勢が大切です。例えば、お願い事の種類には以下のようなものがあります。
融資担当者からの“お願い事”
- 普通預金口座開設
- 定期積金
- 定期預金口座開設
- 事業資金
- 住宅ローン
- 定型クレジットカード発行
- 投資信託
- 生命保険
- その他金融商品
- 優良顧客の紹介 など
これらの中でも、特に最後の「優良顧客の紹介」はポイントが高いです。
ただし、こちらがお願いを聞くばかりで良いようにされていてはいけません。これら行員のお願いを聞く代わりに、こちらのお願いを聞いてもらわなくては割に合いません。
こちらのお願いの受け入れ度合いを見ながら、行員からのお願いも受け入れるという見極めが必要です。
情報交換の場で軽はずみなことは言わない
情報交換で一番大切なことは、会社の経営状況に関する説明です。
ポイントは、会社の現状や将来の予測について常に報告できる体制になっているかどうかです。
中小企業あるあるですが、会社の数字を突っ込まれた時に「経理担当者がいなければわからない」と答えてしまったり、経営内容を把握しないまま経営者の感覚で報告してしまう、ことがあります。
特に、感覚だけで答えてしまうのには大変なリスクがあります。例えば、一週間前に銀行員が会社を訪問し、資金繰りの状況について経営者に確認を入れた時には「全く問題ないよ!」と軽々しく答えてしまうと、後に急に資金が必要になったとしたら・・・
銀行員はきっとあなたの経営者としての評価を下げるでしょう。そればかりか、会社自体の評価を大きく落とすことになります。
そうなってしまうと、今後の融資取引に悪影響が出ることは必至です。
軽はずみなことは言わず、最初から「資金が不足する可能性はある」と、伝えておくだけで遥かに心証が良いのです。
このように、経営者が銀行の融資担当者と付き合っていく上では、常に経営内容についての報告ができる準備をしていなくてはなりません。
銀行口座をフル活用する
第三段階は、銀行口座をフル活用することです。
現金集金が多い場合は、振込入金にしてもらう、支払いについても講座を通して振込にするなど、とにかく口座を使うようにしましょう。
最近では銀行に出向かずにインターネットバンキングなどを利用している会社も増えましたが、金融機関の立場から言うと、講座を通さない動きが多ければ経営内容を把握しづらくなりますから、信頼関係を構築するのに従来の倍以上の時間がかかります。
経営内容を把握するための利用は、口座残高で把握できるような環境を作ると言うことです。これが実現されれば、こちらからではなく金融機関から資金の需要について連絡がくる関係になっていきます。