今回は、絶対に事業用ローンを資金繰りに充ててはいけないというお話です。
資金繰りに苦労していると、どうしても、手早く完了する早い資金繰りに偏りがちですが、事業用ローンや、個人で借りるカードローン、それから消費者金融(いわゆる街金)に手を出すと、後々の会社のキャッシュフローを大きく圧迫する原因となります。
結果から言うと、金利が5%以上の借金は全て悪い借金と判断し、ご自身の中で1つの基準を持ちましょう。
そして、悪い借金に手を出さないことで、いずれ必ず会社のキャッシュフローは健全化され、資金が回り始めます。
自ら毒を飲まないようにすることは、経営に於いて必須です。
私自身も資金繰りに苦悩し、いろんなところから金をつまみました
私が資金繰りに毎日頭を悩ませていた当時、早くストレスから解放されたくて、藁にもすがる思いで様々な資金繰りを試しました。
王道の取引銀行への追加融資の打診はもちろんですが、新規銀行へも打診しましたし、事業用ローンから、カードローンまで・・・ありとあらゆる方法で資金繰りしたのです。
キャッシュが底をついてしまっては、自分の生活が成り立たない!という状況は当たり前で、社員の給料も出せないくらいでした。
「早くなんとかしなければ!」
「私は社長、社員全員の家族を養っているのと同意だ!」
と、自分で自分にプレッシャーを与えながら、その場しのぎの資金繰りを繰り返す毎月末。
本当に、苦悩の連続でした。
資金繰りでローンを活用した場合の落とし穴
さて、事業用ローンや、カードローンですが、何が悪いのかというと、ズバリ高すぎる金利です。
追加融資の場合も、それほど条件の良い利率で借りられることも少ないですよね。
ですが、私が指針としているのは5%という一つのボーダーラインです。
この5%を超える融資は、受けないようにしました。
それは、5%という一見何でもないような金利が、会社のキャッシュフローを悪化させていることに気がつくことができたからです。
まず、大前提としてご存知の通り、金利と消費税などの計算方法を混同してはいけません!!
消費税率なら、500万円の5%は25万円ですが、金利はそんなに甘いものではありません。
500万円を金利5%で10年返済(元利均等)で借りたとシミュレーションしてみましょう。
支払い合計(元金+利息)は以下です▼
ローン1 | ローン2 | 合計 | ||
---|---|---|---|---|
総合計 | 6,363,931 | 0 | 6,363,931 | |
月額 | 元金 | 5,000,000 | 5,000,000 | |
利息 | 1,363,931 | 1,363,931 | ||
合計 | 6,363,931 | 6,363,931 | ||
ボーナス | 元金 | 0 | ||
利息 | 0 | |||
合計 | 0 |
そして、10年間の返済計画がこのような形▼
回数 | 年 | ローン1 | ローン2 | 合計 | |
---|---|---|---|---|---|
1 | 2017 | 返済額 | 636,396 | 636,396 | |
残高 | 4,604,623 | 4,604,623 | |||
2 | 2018 | 返済額 | 636,396 | 636,396 | |
残高 | 4,189,019 | 4,189,019 | |||
3 | 2019 | 返済額 | 636,396 | 636,396 | |
残高 | 3,752,153 | 3,752,153 | |||
4 | 2020 | 返済額 | 636,396 | 636,396 | |
残高 | 3,292,936 | 3,292,936 | |||
5 | 2021 | 返済額 | 636,396 | 636,396 | |
残高 | 2,810,225 | 2,810,225 | |||
6 | 2022 | 返済額 | 636,396 | 636,396 | |
残高 | 2,302,817 | 2,302,817 | |||
7 | 2023 | 返済額 | 636,396 | 636,396 | |
残高 | 1,769,450 | 1,769,450 | |||
8 | 2024 | 返済額 | 636,396 | 636,396 | |
残高 | 1,208,793 | 1,208,793 | |||
9 | 2025 | 返済額 | 636,396 | 636,396 | |
残高 | 619,452 | 619,452 | |||
10 | 2026 | 返済額 | 636,357 | 636,357 | |
残高 | 0 | 0 | 0 |
500万円を5%で、利息の支払い合計額が136万円強にもなります。
500万円8%なら、約228万円
同10%なら、約300万円です。
困ったことに、資金繰りに困り果てている真っ最中の時には、この金額が小さいもののような錯覚を起こしてしまいます。
「このくらいの金額なら、この先復活すれば、なんとでも返していけそうだ」
と、タカをくくってしまうのです。
ですが、これが大きな落とし穴です。
あなたの事業計画の中に、この金利分の余剰金を生み出す計画が盛り込まれているのでしょうか?
きっと、「なんとなく・・・このままやり続けていれば・・・」と、変なところでポジティブシンキングしていませんか?
計画がなく、マグレで返済しようとすれば、この金利分のツケは必ず返ってきます。
そして、会社が儲かるために経営するのではなく、銀行が儲けるためにあなたが肩代わりして会社経営をする羽目になるのです。
事業用ローン以外の方法を模索してみる
5%以下の金利で融資付けができそうであれば問題ありません。
しかし、今回お話してきたように、資金に困っていることの足元を見られて高い金利で貸し付けられそうになっているのであれば、それはローン貸し付け以外の方法を検討するべきです。
ちなみに、私が、ローンの金利地獄から脱出し、会社のキャッシュフローを健全化に向かわせることができたのは、ファクタリングに取り組んでからです。
ファクタリングの仕組みについての詳しい記事は別で用意していますので、記事を参考にしてください。
簡単に言うと、あなたの会社が持っている売掛債権を「現物売り」して現金化できる仕組みのことです。
この仕組みを使えば、例え融資が否決になってしまった会社でも、資金調達が可能になります。
そして、手数料はかかるものの、同額のローンと比較すれば、安価ですので、金利地獄に入ることもありません。
ファクター(ファクタリング業者)をまとめた記事も用意していますので、検討される場合は、参考にしてみてください。
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