あなたは経営者として、日々、会社のキャッシュフローを良好に保つために奮闘されていることでしょう。
私も、中小企業の経営者として、同じように励んでおります。
現在は、金融関連の会社と、中小企業向けコンサルタントの2つの会社を経営しております。
今でこそ、クライアントへ向けて、「資金繰りの方法とは?」なんて偉そうなことを言っていますが、20代で初めて設立した会社では、大変な苦労をしました。
会社設立当時の苦労(VS 経理社員)
少しだけ私のお話をします。(ご興味なければ、次へ読み飛ばしてください)
順風満帆に思えた会社経営は、わずか3年でキャッシュが枯渇し、私の仕事は毎日の資金繰りとなりました。
本当はやりたいことがあってスタートした会社でしたが、3年目以降は何のために働いているのかわからないような状態で、資金繰り始め、会社内の人間関係も悪くなり、ギスギスとした日々を過ごさざるを得ない状況でした。
当サイトの随所に書いていることですが、ファクタリングとの出会いによって、会社のキャッシュフローを改善させることに成功し、その後は、数年に渡る苦悩の資金繰りの経験から、キャッシュ主体の経営へと転換することに成功しました。
もし、あなたも私と同じように資金繰りに苦労をされているのであれば、もしかしたら、このサイトが役に立つかもしれません。
そして、その後、会社の経営状態も潤滑になりましたが、苦労したのが、経理担当社員との話の噛み合わなさです。
その代表的あるあるが・・・私はキャッシュを念頭に置いて話をしているので、参考資料はバランスシートを持って話したいのですが、経理担当社員が持ち出してくる資料は財務諸表(決算書)です。
私は、実際に会社に出入りしているキャッシュの話をしたいのですが、
経理担当社員は、会社資産も買掛・売掛も、棚卸資産も、あれやこれやと引っ張り出してきて財務全体の話を持ちかけてきます。
もちろん、財務全体の話も大切ですが、それは決算時や半期の締めで十分です。
会社の実務は「どのくらいの額のキャッシュが会社を巡っているのか?」という実際の健康診断が必要だからです。
経理担当者と経営者が利益と資金の話をすると話がちぐはぐになる理由
具体的なお話をしていきます。
以下は、会社の資金が増加するアクションですが、それは社長の家計簿的経理の観点から見た時のお話です。
先に申しておきますが、この「家計簿的経理」がキャッシュを潤滑に回し、資金繰りを先打ちするのには必要です。
経理担当が見ると、以下のアクションは逆に捉えるでしょう。
ですが、会議をスタートする前に、一覧表を提示して経営者はこう考える!ということを明白にしておくことで、会議はスムーズになるでしょう。
会社の資金が増加するアクション
- 資産の減少(現預金以外)〜売掛金の回収・棚卸資産の圧縮・減価償却など
- 負債の増加〜買掛金の増加・未払金の増加・借入金の入金・引当金の繰入れなど
- 資本の増加〜剰余金の増加・増資
① 資産の減少(現預金以外)〜売掛金の回収・棚卸資産の圧縮・減価償却など
現預金以外の資産を現金化することにより、ムダな資産の滞留(キャッシュの塩漬け)を防ぎ、効率よく資金を回す動きになります。
決算書上では、一見会社資産が減り、体力や金融機関からの信用を目減りさせる動きに見えますが、塩漬けされていた資本を解凍し、効率よく
キャッシュにする動きは資金繰りの観点から見ると、とても有効です。
② 負債の増加〜買掛金の増加・未払金の増加・借入金の入金・引当金の繰入れなど
財務的な観点から見ると、誤解を招きやすいポイントです。
しかし、負債の増加は資金繰りの観点から見ると、恩恵を受けることができるポイントなのです。
例えば、今月の買掛代金を1ヶ月先延ばしにすることにより、その分のキャッシュは会社に溜まり結果的に流出を防いでいます。
結果的に、外部から資金を調達してきたのと、同じ効果を得ているのです。
また、借入金の入金は感覚的にも理解しやすいですが、キャッシュが潤うので、資金に余裕ができます。
③ 資本の増加〜剰余金の増加・増資
ご存知の通り、資本金は返済不要のキャッシュです。
これが増加するということは、資金繰りにいい影響を与えますね。
まとめ
ということで今回は、会社経営者が経理担当者と話が噛み合わない理由をお伝えしました。
経理担当者というのは、会社の経営を共にしていく中で、本来は頼もしく、一番の理解者となります。
ですが、当時の私もそうでしたが、なかなか会話が噛み合わないことに苛立ち、もう話にならん!!と憤怒してしまったこともあります。
ですから、この記事を見せてみるのも一つの手段ですし、もっと言えば、会議の前に期限を切って話をするようにしましょう。
「直近2ヶ月のキャッシュの出入金を参考に、今月以降4半期を見通す会議です」
と、期限切ることと“キャッシュ”の話だということを明確にしておきます。
これだけでも、経理担当社員は話の切り口を変えてくるでしょう。