事業をスタートしても間もない経営者の方であれば、金融機関などに融資の申し入れをした時に担当者から「それでは、資金繰り表の準備をお願いします」と注文があった時に、「資金繰り表って一体なんのことを言っているのか?どういう風に記入していればOKなの?」という疑問を持たれることでしょう。
今回は、そんなはじめて資金繰り表の疑問について、「資金繰り表とは一体なんなのか?」「金融機関に提出すべき資金繰り表とは?」ということをまとめます。
資金繰り表に対する疑問
現在、お店を開業して4年目となります。
先日、借入をするためにメインバンクの担当者と話したところ、資金繰り表が欲しいと言われました。
資金繰り表という言葉から、なんとなーくどんなものか?は想像はできるのですが、正式な資金繰り表がどのようなものか教えてください。
資金繰り表とは、大きく分けて「資金繰り実績表」と「資金繰り予定表」の2種類に分かれます。
資金繰り実績表とは?
その会社の資金の流れについて実績を集計した表です。
その名の通り、これまでの資金繰りの経歴や借入経歴をまとめたものです。
資金繰り予定表とは?
その会社の将来数ヶ月後までの資金の流れの予定を集計した表です。
資金繰り予定表の提出の依頼があった場合、単に「資金繰り表」というときには、この「資金繰り予定表」のことをいいます。
資金繰り予定表で何がわかるのか?
資金繰り予定表は今後の収入予定と支出の予定が全て一つにまとめられているものですから、将来の“ある時点”で資金が不足した場合、その対策としての資金調達を、前もって検討することができるのです。
これが、資金繰り予定表を作成する最も大きな利点です。
つまり、現在の経営状態と照らし合わせた資金需要に関して、前もって準備するための書類ということになります。
また、銀行の担当者がなぜ「資金繰り表」を求めたかですが、これは“資金の今後の流れを把握するため”や、“その会社の社長の係数管理能力を見定めるため”など、これらを把握するためです。
「資金繰り表」を提出すれば、その会社に対して一定の評価を与えることができます。そのため、資金調達もスムーズに行われていく可能性があり、金融機関から資金調達をする場合には必ず必要な書類です。
資金繰り表は第三者に“見える形”で用意する
今後の資金の需要予測や金融機関への評価を高めるための資料として必要な「資金繰り表」ですが、残念ながら中小企業ではこれそのものが作成されていないケースも多く、社長の頭の中に入っているということも多いのが事実です。
社長たの頭の中に入っている場合、実際は考え通りにいかないこともしばしばで、金融機関からの評価を受けれないばかりか、審査対象として見てもらえないケースもあります。
こういったことを踏まえると、やはりきちんと紙の上に数字を落とし込んでみて管理する必要があります。
「資金繰り実績表」と「資金繰り予定表」はどちらが重要か?
「資金繰り表」は、上述したようにその会社の資金の流れについて実績を集計した表です。
中小企業で資金繰り表を作成している場合、そのほとんどが「資金繰り予定表」のみを作成していることが多いようです。
「資金繰り実績表」と「資金繰り予定表」のどちらが大切か?と聞かれれば、もちろん大切なのは「資金繰り予定表」です。
ですが、「資金繰り実績表」が必要ないのかと問われると、そんなことはないのです。
「資金繰り実績表」は「資金繰り予定表」を作成する上で、非常に役立つ資料になります。
「資金繰り予定表」の作成では、過去の資金の流れを踏まえて作成することが多いですから、資金繰り実績表を作成しておくと、過去の資金の流れがわかるので「資金繰り予定表」を作成する時に非常に便利なのです。
しかし、中小企業の場合は日々の業務に追われてそこまで手が回らないことも事実です。
最近では、会計ソフトに「資金繰り実績表」の作成機能がついたものがあるので、それを利用する事も一つの手段でしょう。
半自動化で会計処理をしてくれるクラウドソフト(ウェブ上のソフト)もあり、特に以下のやよい会計は、私も利用した事がありますが、非常に優秀です。