でんさい(電子記録債権)についてご存知でしょうか?
私はよく「でんさいとファクタリングって何が違うんですか?」という質問を受けます。まず、「でんさい」と「電子記録債権」は同義語で、電子記録債権の愛称が「でんさい」だと考えていただければOKです。
では、でんさいとファクタリングは?
同じ売掛債権を取り扱うシステムですが、ファクタリングは債権を売却するシステムなのに対して、でんさいは自社にでんさいシステムを取り入れ、決済方式そのものを変更します。
でんさいの仕組みとファクタリングの仕組み
でんさいとファクタリング、各それぞれの仕組みについて。
ファクタリングの仕組み
ファクタリングの仕組みについて解説します。
ファクタリングは「売掛債権流動化」と和訳でき、売掛債権を売買する仕組みのことを指します。
一概に「ファクタリング」と言っても、単純に売掛金を買い取るものや、一括ファクタリング、保証ファクタリングなどの種類があります。
日銀発行の上図を参考にして頂きたいのですが、中央のものがファクタリングです。
企業(クライアント)と売掛先の間に買い手(ファクター)が入って、債券を買い取り、売り出した会社は早期に資金調達ができる、という仕組みです。
※左右の図に関して
今回は説明を省かせて頂きますが、昨今の売掛債権流動化に伴う売掛金の動きのひとつとして紹介しています。ご興味あられる方は別途、調べてみてください。
補足
上図が見づらかったので、当サイト独自にファクタリングの図を作成しました。
- 承認やサービスの提供=売掛金の発生(利用者 ⇨ 取引先企業)
- ファクタリング契約・承諾(利用者 ⇄ 取引先企業)
- ファクタリング契約・承諾(利用者 ⇄ ファクタリング会社)
- 請求金額の確認(利用者 ⇄ 取引先企業)
- 請求金額通知(利用者 ⇨ ファクタリング会社)
- 請求金額・最終確認(取引先企業 ⇄ ファクタリング会社)
- 早期売掛金支払い(ファクタリング会社 ⇨ 利用者)
- 期日通り売掛金の支払い(取引先企業 ⇨ ファクタリング会社)
でんさい(電子記録債権)の仕組み
まず、日銀が公式に説明している文書がありますので、ご紹介します。
電子記録債権とは何ですか? でんさいネットとは何ですか?
電子記録債権は、中小企業等事業者の資金調達の円滑化等を図ることを目的に、電子記録債権法(2008年12月施行)により創設された、新しい類型の金銭債権です。電子記録債権は、電子債権記録機関の記録原簿への電子記録をその発生・譲渡等の要件としており、売掛債権等の指名債権のデメリット(譲渡対象債権の不存在・二重譲渡リスク、債権譲渡を債務者に対抗するために債務者への通知等が必要であること等)および手形のデメリット(支払事務手続にかかるコスト、保管・搬送等にかかるコスト、分割不可であること)を解消し、これらに代わるものとなることが期待されています。
でんさいネットは、正式名称を「全銀電子債権ネットワーク」といい、全国銀行協会が設立した電子債権記録機関です。2013年2月から電子記録債権にかかる電子記録に関する業務を開始しています。
日本銀行公式 「教えて!にちぎん」より
図が複雑になっていて、多少解り辛いかもしれませんが、これが日銀の出す公式の資料ですのでご容赦ください。
でんさいの仕組みを要約すると…
でんさいはでんさいネット(正式名称:株式会社全銀電子債権ネットワーク)が、記録機関として運営しています。
利用者は各銀行のシステムを使って、ネット上で債券の譲渡/割引などの取り引きをするのですが、その全てを一括して、でんさいネットが統括しているわけですね。※でんさいネットは全国銀行協会(全銀)が100%出資しており、現在の加盟金融機関は1300を超えています。
全銀は信用情報なども扱っていますので、個人の借入や、クレジットカードの利用履歴なども管理している会社です。
仕組みはなんとなくご理解頂けたでしょうか?
まず、前提として、債券を取り扱うシステムという意味では同じ土俵です。
ここはなんとな〜くで大丈夫です。
でんさいとファクタリングの共通点
でんさいとファクタリングが混同される理由は、両者に共通項が多いことからでしょう。
- 売掛債券を譲渡することができるシステムである
- 売掛債券を保有している会社が、その債権の精算前に早期資金化できる
- 支払期日が来ると支払企業の口座から資金が引き落とされて決済される
- システムを使って自動的に手続きが行える
上述した通り、債券の取り扱いという意味では同じシステムですが、使用目的は異なります。
以下に特徴をまとめました。
でんさいとファクタリング それぞれの特徴
仕組みそのものよりも、特徴から掴んでいきましょう。
- 債券の支払企業と受取企業がファクタリング業者と“直接”契約
- ファクタリング会社に直接、債権を譲渡するので契約〜入金までが早い(即日〜1週間)
- 契約は都度契約(単発の資金繰りに向いている)
- 保証人制度がない
- 償還請求がない
- 国政ででんさいネットの導入を推進している
- でんさいネット利用者間での取り引きのみ
- 一度のでんさいネットへの登録で継続した取り引きが可能
- クライアント(債券の受取企業)が保証人
各システムの特徴を一言で言うなら
- 単発の資金繰りはファクタリング
- 売掛債権の悩みを根本から改善するならでんさい
でんさいとファクタリングの違い
でんさいとファクタリングの決定的な違いとはなんでしょうか?
ファクタリングとでんさいは仕組みそのものが違う
上述した通り、両者は売掛債権を取り扱うものですが、根本的な仕組みが違います。その中でも、特筆すべきはでんさいの場合、会計システムの導入が必須だということです。
長期的なシステムを前提としているからこそ、「会計システムの変更=会計処理そのものの変更」が必須です。
例えば、これまで使用してきた売掛管理〜受取手形/支払手形の勘定項目が電子記録債権、電子記録債務へと変更されます。
項目だけ見ればシンプルですが、システム導入には社員の教育時間や、慣らす為の時間に加え、決済時の見直し等の付随するデメリットがあります。
でんさい利用企業が感じるリスクとは
会計処理に掛かる時間が多くなってしまった
導入年度の決算に要した時間はこれまでの何倍にもなりました
正直、これは慣れの範囲が大きいですが、単発の資金繰りで、でんさいを導入するにはリスクが大きすぎるでしょう。
それから、でんさいの特徴の中に「でんさいネット利用者間での取り引きのみ」という項目がありましたが、読んでそのまま。でんさいによる決済を行えるのは、システムを導入済みの企業間のみです。
余談ですが、万が一、ご利用の取引銀行がでんさいネットに加盟していない場合は、新規で口座を用意する必要があります。
また、もっと感覚的な相違点でお話しすると、債券を実物と見るか、数字と見るかの違いと言うことができるでしょう。
保証人の有無
でんさいの場合は、クライアントが保証人となります。
万が一、貸倒れが起きた場合にはクライアントが保証人として支払いの義務が出てきます。その点でいうと、ファクタリングの場合は保証人制度そのものがありませんから、ファクタリング会社が貸倒れのリスクを負うことになりますので、支払企業の属性によっては手数料が高くなる場合もありますが、純粋なキャッシュフローの健全化という観点で見ると、ファクタリングの方がメリットが大きいです。
でんさいは債券を担保にした貸付という見方もできますので、単純に債券を現物として売却できるファクタリングの方に分があるでしょう。
まとめ
今回は、でんさいとファクタリングの違いについてまとめました。
結局のところ、でんさいとファクタリングはその使用目的によって利用の方向性が全く違います。
- ファクタリングによってキャッシュフローそのものを健全化させたい
- 資金繰りの時間がないので、なるべく早く資金が手元に欲しい
こういった目的であれば、ファクタリングをお勧めします。
ファクタリングを利用する際の注意点として、でんさいのようにひとつの機関が一括して行なっているシステムではないことが言えます。
自社の大切な資産である売掛金を使った資金調達法であるからこそ、業者選びには慎重になりましょう。(あまりにも簡単・お手軽を推している業者には特に注意が必要です)
当ファクタリング研究所では、これまで実に150社以上に渡って民間ファクタリング会社に対する独自調査を行って参りました。
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