資金繰り表の項目は何が必要?の記事でもご紹介した通り、最も簡単な資金繰り予定表の区分は、「収入」「支出」「財務収支」の3つに分かれています。
今回は、その中でも特に「収入」の予測値作成を解説していきます。
資金繰り予定表の収入部門 作成手順
化粧品販売業の会社経営をしております。
初めて資金繰り予定表を作成していますが、どうやって作成していいのかわかりません。
特に売上と入金の関係がまだ理解できていないようです。
どのように考えれば、スムーズに作成できるのでしょうか?
資金繰り予定表は、現在から将来にかけての資金繰り状況を表にまとめたものです。ですから、あくまでも数字は予想値になります。
予想値ですから、1円単位まで予想することは不可能ですし、その必要はありません。
ただし、予想値といっても実際の数字とあまりにかけ離れたものを出しても意味がなくなりますので、できる限り正確な予想値を出していく必要があります。
正確な予想値を出すためには、資金繰り実績表があると、とても便利です。
実績値をたたき台にして、その中で変動するものについて修正を加えていく手法が最も簡単な資金繰り予定表の作成方法です。
資金繰り実績表がない場合、資金繰り予定表を作成するには「基礎データ」の準備をした上で、表の作成をしていきます。
※今後の作成時間の短縮化を考慮すると、作成されていない方は、この機会に作成することをお勧めします。
その際には、年間の合計売上高の予測を行ってから、その数値に月別の季節指数をかけて予想値を出すようにします。
出金の予測金額が算出できたら、次に入金のタイミングを予測します。たいていの場合、サイト自体は今までと変わらないはずなので、そのタイミングで考えます。
あとは、売り上げ入金に関しての特殊事項を考慮すれば完了です。
資金繰り予定表|実際の作成手順
資金繰り予定表の作成手順
- 売上金予測の基礎データの整理
- 売上入金予測値の確定
上記2点を作成していきましょう。
難しく感じるかもしれませんが、順番にやっていけば誰にでもできますからご安心ください。
売上入金予測の基礎データの整理
売り上げ入金基礎データ(例:3月決算) | ||
---|---|---|
合計 | 186,800 | 100% |
前期売上入金実績(千円) | 構成費 | |
4月 | 20,000 | 10.71% |
5月 | 13,000 | 6.96% |
6月 | 15,000 | 8.03% |
7月 | 16,000 | 8.57% |
8月 | 12,000 | 6.42% |
9月 | 18,000 | 9.64% |
10月 | 22,000 | 11.78% |
11月 | 19,000 | 10.17% |
12月 | 13,000 | 6.96% |
1月 | 12,000 | 6.42% |
2月 | 9,800 | 5.24% |
3月 | 17,000 | 9.10% |
売上入金予測の基礎データとして、売上入金の月別構成費の値を出します。
売上入金の実績は上記表のように、前期の売上入金の実績を使います。
構成費の計算式は・・・
■ 構成費 = 各月売上実績 ÷ 売上実績合計 で、算出します。
この構成比率は、季節変動指数とも言われます。
この数値は、実際の自社の数値ですので、現実に近い予測値を出すにはとても便利です。
売上入金予測値の確定
売上入金額の予測値を月ごとに記入していきます。
ただし、売上入金の予測ができるのは、どのような会社でも直近の3ヶ月程度が限度だと考えられますから、予想できない部分は、年間売上合計に月の構成費を掛け合わせて出した数字を入れていきます。