キャッシュフロー計算書の実務での活用法とは

せっかくキャッシュフロー計算書を作成したのなら、実際に活用をしなければ効果を得ることができません。

キャッシュフロー計算書の使い方は大きく分けて2つあります

  1. 内部資料としての活用
  2. 外部資料としての活用

上記2種の活用法です。

キャッシュフロー計算書を効果的に活用することができると、しっかりあなたの会社は計画的に資金を回すことができるようになるばかりでなく、事業の拡大も積極的に狙っていけるでしょう。

キャッシュフロー計算書を内部資料として活用する

内部資料としての活用では、キャッシュの動きを内部で検証するために使用します。

  • 会社のキャッシュは前期と比較して増加・減少したか?
  • 営業キャッシュフローで十分なキャッシュを確保できているか?
  • 営業キャッシュフローの中で、キャッシュを増加させている項目は何か?
  • 営業キャッシュフローの中で、キャッシュを減少させている項目は何か?
  • 投資キャッシュフローの中で、キャッシュを極端に減少させるような過大な投資はないか?
  • 投資キャッシュフローの中で、適正規模の投資を実施しているか?
  • 財務キャッシュフローの中で、投資に見合ったキャッシュを確保できているか?
  • 財務キャッシュフローの中で、借入金返済が資金繰りを圧迫していないか?
  • 営業・投資・財務の区分でバランス良く資金の獲得・支出を行えているか?

大まかに上記の項目をチェックすると良いです。

営業キャッシュフローでは、特にその資金の増加・減少の原因とその後の対策を講じるための分析資料とするために使用します。

例えば、キャッシュを減少させている原因が売掛債権の増加だとしたら、『その回収を図る+不良債権の洗い出しと早期処理を行う』という対策が考えられます。

また、その原因が在庫の増加であれば、管理の徹底、不良在庫処分などを実施しなくはなりません。

最後の項目の「バランス」では、営業でキャッシュを大量に確保している場合、その大量のキャッシュをどのように使っているかがチェックポイントです。このようなケースでは、新たな設備投資に資金を回し明日の収益の柱を作るとか、財務体質強化のために既存借入金の返済を進めるなどといったことが考えられます。

こうして、全体のバランス調整を行なっていくことがキャッシュフロー経営の醍醐味であり、どのポイントを増やしていけばいいのか?は私の記事を読んでいただいた方であれば習得できているでしょう。

会社経営の中で、その場その場の対応というのは、経営者にしかできません。つまりあなたのことです。

私ができることは、その選択の岐路に立ったあなたが、しっかりと正解を導き出せるよう『考え方』を伝授することなのです。

考え方さえ習得していれば、キャッシュフロー経営に於いて負けはないのです。

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キャッシュフロー計算書を外部資料としての活用する

外部資料としての活用ですが、書類の提出先としては何と言っても金融機関でしょう。

金融機関としては、会社の情報は多ければ多いほど判断材料が増えて良いとされる傾向が強いので、提出するだけでも心象的に効果が見込めます。

金融機関によっては毎朝会社から提出された決算書を元に銀行内部でキャッシュフロー計算書を作成しているところもあります。この場合ですと、どちらにしてもあなたの会社のキャッシュフロー計算書は作成されているわけです。

ということは、つまり、会社から自主的に提出することで、金融機関の手間も省け、信用力の向上も図ることができる!というわけです。

ぜひ、キャッシュフロー計算書も決算書類と一緒に提出するようにしてください。

まとめ

ということで、今回は、キャッシュフロー計算書の実務での活用法をお伝えしました。そして、シリーズでやってきたキャッシュフロー計算書篇もこれでおしまいとなります。

当サイトでは、キャッシュフロー経営を推奨しています!と声を大にして言っておきながら、なかなかキャッシュフロー経営に対して言及できていませんでしたので少し安心しました(笑)

最近は、多くの経営者の方から質問をいただくようになりました。ありがとうございます。

中小企業の会社経営というのは、なかなか気が抜けないものです。

特に、会社の体質がキャッシュフローを回せるシステムになっていないと、資金繰りなどに苦労してしまう経営になりがちです。

かくいう私自身も、起業したばかりの頃は、毎日の業務に追われるあまり、売り上げは上がるが資金が足りないという所謂“ドツボ”にハマっていました。

正直、資金繰りの思い出は辛さや苦悩しかないですが、そんな時でも、諦めることなく立ち向かった経験から今の会社経営ができ、もっと言えば、こんなサイトで記事を執筆できるまでになれたのだと痛感しています。

資金繰りが大好きな方なんて世の中には、いないでしょうが、あまり悲観的にならずに、前向きにトライしてみてください。

それでは、最後まで読んでいただきありがとうございます。

私の記事があなたの会社経営の小さなヒントにでもなれば幸いです。

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