バランスシート攻略術⑥ 経費の“見えない支出”に注意!

シリーズでお送りしてきたバランスシート攻略術もいよいよ今回の第6回目で最終話となります。

前回記事はこちら|バランスシート攻略術⑤ 利益不足は事業の根幹に関わる問題!

今回は、バランスシート(賃借対照表)の中の「経費」の部分に特に注目して解説していきます。

  1. 売掛金
  2. 在庫管理
  3. 設備投資
  4. 貸し倒れ
  5. 利益不足
  6. 経費 ⇦イマココ!

利益を上げるために支出である「経費」を削減するのは、経営においての常套手段です。

基本的に利益が出れば、その分だけ資金繰りは改善します。

しかし、時として“そうなるはず”のものが、思い通りにいかないこともあるのです。

経費を削減しても資金繰りが苦しい・・・という生の声を元に解説していきます。

2つの“見えない支出”に注意!

経営者
会社にとって利益を出すことが大切なのは、重々心得ています。
当社では経費を削減し、黒字化を達成しましたが、それでも資金繰りが苦しいままです。
何か見落としていることがあるのでしょうか?

経費を削減し、黒字にしたにも関わらず資金繰りが改善しないとなると、何か別の原因があるはずです。

「見落としていることが〜」と仰っていますが、「経費」に伴う“見えない支出”に気づいていらっしゃいますでしょうか?

見えない支出に気づかないままだと、経費計上などのカラクリにより、利益を出しても実はキャッシュの動きは何も変わっていない!(手残りがない)などの状態に陥ってしまいます。

この“見えない支出”の代表的なものは2つあります。

2つの見えない支出とは?

  1. 税金
  2. 資産

これら2つについて詳しく解説していきます。

見えない支出その1「税金」に注意!

実は多くの経営者の方が、資金繰りを行う上で「税金」の存在について忘れているのです。

例えば、経費を削減するときに、社長の給料を減らす代わりに社長交際費を増やして帳尻を合わせる例がありますね。

交際費と税金の関係

俗に「交際費は経費で落ちない」などという言い方をしますが、税法上、交際費は損金に算入できる額が決まっています。

利益を出しても、交際費が増えた分だけ税負担が重くなり、結果として資金繰りを悪化させてしまいます。

「交際費」は、支出が行われた上に税金までかかるという、まさに“踏んだり蹴ったり!”な費用なのです。

人件費と税金の関係

これと同じことが人件費にも言えます。

人件費は消費税法上「非課税仕入れ」として扱われます。(わかりやすく言うと、消費税の計算上、経費には入れないということです)

他の経費を削減しても人件費が変わらなければ、その分だけ消費税負担が増えてしまうことになります。ですから、経費を削減するときには、「税金」のことも頭に入れた上で行わなければなりません。

税金まで考慮した最適な経費削減策は、顧問の税理士と一緒に考えることが得策でしょう。

見えない支出その2「資産計上」は“悪”と心得よ!

ある社長さんが、決算書を黒字にするために次のような経費削減策を考えました。

将来の退職金の財源作りにと、月々10万円の共済(掛け金は全額損金)に入っているが、これをやめれば年に120万円の経費が浮く!

先日来訪した生命保険会社の保険(同じく月10万円の掛け金、全額資産計上タイプ)に入れば、資産形成はできるし、経費は減るし、とってもいいのでは??

あなたはお気づきでしょうか?

残念ながら、この結論付けは間違っています。

確かに決算は120万円の経費削減で利益が増えます。しかし、資金の動きを見てみると、実は何も変わっていないのです。

保険を変えても、同じように年に120万円の支出があり、資金繰りの改善には結びついていません。

むしろ利益が120万円上がることにより、法人税負担(約40%=48万円)が増えてしまっています。

このように、“間違った”経費削減を行っても、かえって資金繰りを苦しくしてしまう例があるのです。

利益を出すことは言うまでもなく大切なことですが、その際には必ず「資金の動き」をチェックして把握し、考える習慣をつけることであなたの経営者レベルもぐっと上がるでしょう。

まとめ

ということで、経費の見えない支出について解説しました。

これで全6回のパートとなった『バランスシート攻略術』もこれでおしまいです。

最初のうちは、決算書の一部であるバランスシート(賃借対照表)を引っ張り出してきてのにらめっこに慣れないかもしれませんが、あなたの事業にとって、必ずプラス要素に働く項目ですから、「見る習慣」をつけるところから始めてみてはいかがでしょう。

資金繰りはしないにこしたことはありませんが、「良い資金繰り」と「悪い資金繰り」を判別することが大切です。

そして、「良い資金繰り」を選択するためには、時間的余裕も必要なのです。

その「時間的余裕」を作り出してくれるのが、未来予測をするためのツールであるバランスシートである!ということですね。

あなたの会社経営のためのちょっとしたヒントにでもなりましたでしょうか?

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