今回は、『頭打ちで資金調達してしまう原因とバランスシートの重要性』についてお話ししてきます。
あなたは、会社の資金が足りなくなった時に、まず、何をしているでしょうか?
一番最初に「資金繰りができそうな方法を探す」と答えた方は要注意です。
バランスシートの重要性
日本語で、賃借対照表と呼ばれるものですが、会社経営の渦中ではこのバランスシートの精度と解析能力がモノを言います。
零細企業が、ある分岐点をキッカケに会社の舵取りを大きく変え、上昇気流に乗ったという場面は少なくありませんが、私が見てきた多くのケースで優秀な経理の人材を獲得しています。
そういった企業では、これまでのバランスシートとは一線を画す作りにし、社内でそのB/Cの重要度も共有、社員一丸となって、会社のキャッシュフローを良くする動きに切り替えた。
そうすることで、多くのキャッシュを会社にプールすることができます。
それほど、バランスシートというのは重要なものであり、重要だと認識することがさらに重要だとも言えます。
「ファクタリング」という枠の中だけでは話せない内容
当サイトも、運営期間が1年以上となりましたが、「ファクタリング」というジャンルに限定をすると、かなり狭い範囲のお話しかできなくなってしまい、それでは会社の本来の目的である「より良いサービスをクライアントに提供し、結果的に利益を得る」という部分から遠ざかってしまうのでは・・という気づきがありました。
会社経営において、重要なことは倒産しないことでも、資金繰りを潤滑に行うことでもありません。
それらは、経営していく中で、付随する業務のひとつではあります。
ですが、本来の目的は「会社を大きくする」ということではないでしょうか?
より良いクライアントと付き合い、より良い経営を行うことで会社は大きくなっていきます。
ですが、資金繰りに行き詰まった社長というのは、そのことを忘れがちです。
それは、キャッシュが尽きそうだという目の前の急務に常に振り回されているからですね。
正直に言いますと、ファクタリングを実行していた当時の私こそがそうでした。
当時の私の会社は火の車で、とても「経営」と呼べた代物ではありませんでしたから、周囲の取引先からは不審がられ、社員からもコソコソと影で叩かれていました。
実は、そのような社長の心理状態というのは、周囲の人たちからすると手に取るようにわかります。
経営状態が悪く資金繰りが必要な期間が長く続けば続くほど、周囲の人たちに不信感を与え、このことによる悪循環により、さらにビジネスが上手くいかず、首が回らなくなる・・・という典型のような状況に私はいました。
一つ明確なことがあります。
それが、「資金繰りはなるべく短期的な実施で、長期的にキャッシュフローを改善させる効果が見込めるものを実施する」ということです。
少しややこしい言い回しになりましたが、
一度資金が困窮した会社は、何かしらの原因があって困窮しています。
人体で言うところの「ガン」と同じことが会社でも起きているのです。
その根っこの部分を改善(時には切除)させないことには、悪い部分が広がっていくだけです。
それに関しても、多くの場合、精度の高いバランスシートとにらめっこすることによって原因を導き出し、解決への糸口を見つけることができます。
原因を見つけないまま頭打ちで資金繰りをしている経営者が多すぎる
例えば、今月100万円のキャッシュが足りないとします。
資金繰りとして、まず浮かぶのは銀行からの追加融資かもしれません。
ですが、「資金が足りない=融資を受ける」という考えは早急すぎるかもしれません。
言うまでもありませんが、銀行から借りた金は返済の必要があります。
そして、その返済金はバランスシート内の優先順位が限りなく高いのです。
安易な追加融資はガンを自ら買うような行為なので、注意が必要です。
100万円足りないから、銀行から100万円借りる。
返済は割賦なので、毎月数万円の支払いでいいから・・・と。
ですが、100万円足りなかった原因を放置したままですから、またすぐに100万円のキャッシュが必要になるでしょう。
「前回、100万円借りてまたすぐに必要だったから今回は300万円・・・いや、500万円くらい借りておけば安パイだろう」
と、このような安易な借り入れが続きます。
借金には、良い借金と悪い借金があります。
ちなみに、この借金はとてつもなく悪いですから、あなたは自分の会社の首を絞める行為をしているのです。
原因を潰していないのですから、500万円の借り入れができたとしても、その金は原因となるガンによって溶かされるだけでしょう。
時間とともに、プールしていたキャッシュは消え、残高が目減りしていきます。
そして、その金を使い果たした頃に、もう一度銀行へ駆け込んでから気づくことになります。
銀行員「残念ながら、お客様の財務状況ではこれ以上貸し付けることができません」
と、バッサリといかれてしまうでしょう。
さあ、この後にどうすべきか?
もっと金利が高くてもいいから、借りられる銀行やローン会社を探す?
それはとてもとても見ていられません。
借金することに慣れてしまい、借金で借金に蓋をしていることに気づいていないからです。
外部から補填せずともキャッシュが回る仕組みづくりがキモ
健全な会社経営というのは、わざわざ外部からの資金繰りをしなくともキャッシュが回ります。
当然、あなたもそうした経営状態を目指しているでしょう。
それが健全な状態であるとわかっているからですね。
ですから、資金繰りが必要な状況をチャンスだと捉えるメンタルが必要です。
今こそ、バランスシートを見直し、会社経営のガンとなっている部分を切除することができるからです。
資金が足りないとは言え、追加融資を受けるタイミングはとても重要です。
会社の信用が高い時に融資付けするのか?
会社の信用が下がりきった時に融資付けするのか?
では、金利に雲泥の開きができるからです。
通常、5%以上の金利でビジネスローンを組むことはNGです。
それ以上の金利で借りなければいけないのであれば、先に融資以外の方法を検討しましょう。
ファクタリングは、バランスシート内で考えた時に、融資よりも健全な方法です。
なぜならば、ファクタリングで調達した資金というのは、返済の必要がないからです。
システムを理解されていればご承知のこととと思いますが、ファクタリングはあなたの持ち物を売却しているに過ぎないからです。
現物取引ですから、会社内の不要在庫を処分していることと変わりありません。
健全な経営を目指すのであれば、まずはファクタリングを検討してみてください。
まとめ
ということで今回は『頭打ちで資金調達してしまう原因とバランスシートの重要性』をお話ししていきました。
バランスシートなどに関しては、また改めて別記事にて解説していきます。
何はともあれ、資金繰りの最中に本来の目的を見失わないように注意しましょう。