あなたの会社では、売掛金の管理を徹底的にできていますか?
売掛金の早期回収ができれば、あなたの会社の資金繰りは楽になります。
そして、それと同じ効果が買掛の支払いの先延ばしにあります。
売掛・買掛の回収&支払いサイトを完全にロックし、コントロールすることで資金繰りの必要がなくなること(資金繰りと同じ効果があること)はご存知でしょうか?
それから、資金繰りがいざ必要になった時、その手法はなるべく多くの手札を持っているに越したことはありません。
かつての私自身や、今尚、相談に来られる経営者の方の共通点として「資金繰りに苦労し、行き詰まってしまう理由として、資金繰りの方法を1〜2つしか知らない」ということが言えます。
資金繰りの手段は複数持ち、多ければ多いほど良い
安直に「資金繰り=金融機関からの融資」と、一つの手段ばかりを当てにしていると、いざ銀行から裏切られた時には八方塞がりになってしまいます。
「晴れの日に傘を貸し、雨の日に取り上げる」
と言われる銀行を信頼するあまり、全ウェイトをかけてしまい、コケた時の反動や恐るべし・・・です。
頼ることは良いですが、当てにしてはいけないのです。
あなたは、いくつの資金繰りの手段を持っていますか?
1〜2つくらいしか持っていない(思いつかない)のであれば要注意です。
資金繰りの手段を増やすためにはどうしたらいいか?
これは簡単です。
普段から、資金繰りの意識をし続けることです。
「世の中のキャッシュはどう回っているのか?」
「どこに金が集まっているのか?」
「なぜ、自分の会社にキャッシュが残らないのか?」
こういったことを、常日頃から意識し、気になる資金繰りの手法を見つけたら、見積もりを取ってみたり、自身の会社も取り組みができるのか審査をしてみたりということを繰り返します。
そうすることで、いざ資金が必要になった時には、気づけば手段の数が増えているのです。
※ここでいう「審査」というのは、民間のサービスに対してです。銀行(ノンバンク)などの信用情報履歴が残る相手に審査を乱発することではありませんので、悪しからず。
安易なリスケのシワ寄せで突然キャッシュが枯渇する
さて、冒頭のお話に戻りますが、「徹底的に管理できているか?」と問われると、そこまでの意識を持たれていない方がほとんどではないでしょうか?
売掛金というと会社の売り上げそのものです。
そして、現実に売掛金の回収が滞るとたちまち会社のキャッシュが焦げ付いてしまうという中小企業も少なくはありません。
多くの場合は、取引先間で支払いをリスケする形で対応しているようですが、その多くのシワ寄せは末端に集まっています。
売掛を投げている(買掛側の)会社は支払いを先延ばしにすればいいかもしれませんが、そのシワ寄せは、いずれ末端の中小企業に当たるという仕組みです。
末端とは、どういうことかというと、最初の1社は数万円のリスケだったはずが、2社目、3社目・・・と間を挟むことによって、「ここからここまで一ヶ月待ってください」というザックリとしたリスケが行われていきます。その結果、3社目以降の会社に売掛金清算のリスケ申し入れが来た時には、数十万円〜数百万円という金額になっていることもあります。(この末端の会社を仮にS社とします)
毎月の支払いサイトにそこまでの余裕を持っていない(キャッシュをプールしていない)会社にとっては、これほどの金額は致命傷となります。しかも、このS社が数百万円のまとまった金額の支払いを遅らせるリスケ先がないのです。
何が言いたいかというと、こう言った「突然のリスケはいつでもあなたの身に降りかかる恐れがある」ということです。
キャッシュは会社の血液です
キャッシュ(現金)は人間の身体でいうところの血液と一緒です。
売掛金は、キャッシュではなく「見込み」と考えましょう。
実際に、回収が済み目の前に現金として見える形になってからようやく運用ができるのです。
会社のバランスシートをしっかりと把握しつつ、売掛金の早期回収、短期回収を試み続けることが大切です。
それから、買掛金に関しても同じことが言えます。
よくいらっしゃるのが、「どうせ払わなきゃいけないものだから、キャッシュがあるうちに!」と、ニコニコ現金払いを実践している中小企業の社長さんです。
現金払いには、才能が必要です。
長らく現金払いの“効果”の恩恵を受けている才能ある社長なら良いですが、ただ単に「スッキリしないから」という理由で会社の現金を放出してしまう方もいます。
買掛サイトを早めて現金で払う時には、しっかりと取引先に恩を売らなければ意味がありません。それだけ、買掛先に取っては売掛金の早期回収は嬉しいことですし、キャッシュにはパワーがあります。
あなたに、特に理由がないのであれば、買掛金の支払いサイトはなるべく長くする方が得策でしょう。
「回収は早く、支払いは遅く」
これが鉄則です。
そうすることで、会社には多くのキャッシュが残りますし、いつも新鮮な血液が流れている身体というのは健康的で、フレッシュなものです。
儲かっている(ように見える)社長の顔色が良く、経営が潤滑で、新しい取引先が自然と増えるのは、このためです。
資金繰りは必ず長期で考える
売掛金の早期回収、短期回収・・・
以前、こう仰っていたのは中小企業経営者の後藤社長です。
売掛金のリスケの申し込みがあると、自分の会社のプール金で何とか賄う。しかし、それでも追いつかない時には、売掛債権を担保にして、一旦金融機関から借入をしてくる。
という具合にお話しされていました。
ですが、本当にこれでいいのでしょうか?
取引先との関係を良好に保つために、後藤社長は涙を飲んで借金をし、短期借入の高い金利を負担する形になっています。
確かに、中小企業同士のビジネスというのは、信頼関係の元に成り立っていると言っても過言ではありません。
しかし、何度も支払いが遅れる取引先との信用を守るために、あなたの会社の長期的キャッシュフローを食い潰してしまっています。
「売掛金の回収は早く」
何度も言うようですが、これが鉄則なのです。
キャッシュフローが潤滑な会社は実践しています。
もし、あなたが取引先との関係性を守りつつも売掛金を早期回収したいのであれば、私が推奨する資金調達の手法「ファクタリング」を検討してみてください。
ファクタリングは、売掛債権をモノとして売買するシステムです。
最近では、ファクター(ファクタリング業者)のサービスも充実してきていて、取引先にファクタリングしていることを知られることはありませんし、短期金利と比較すると手数料も安く済むケースも多くなってきました。
参考:なるべく簡単にわかりやすく!「ファクタリング」を徹底解説!
上述した通り、今すぐ!資金繰りの必要がなくとも、いざ必要となった時に手段の数は多い方がいいのです。
お急ぎ資金調達のイメージが強いファクタリングですが、活用方法は無限大です。
数社にあなたが保有する売掛債権の見積もり審査を出しておくことで、いざというときに、その債権がいくらになるのか?の価値が明確になります。(ファクターによって、得意業種が違ったりなどの理由で、同じ債権でも値が違うことがあるので、必ず数社に見積もりを取るようにしてください)
あなたのキャッシュフロー改善法の一つの刀として持っておくべきものですね。
まとめ
と言うことで、売掛金の早期回収の重要性と、ファクタリングの取り組みは早めがいい理由をお話ししました。
短期的な資金調達であったり、「最短1日〜3日!」などのお急ぎ資金調達のイメージが強く付いてしまっているファクタリングですが、実際には、資金調達の手法としてはかなり優秀です。(ファクタリングの優位性については他の記事でも詳しく解説していますので、ご興味あれば見てみてください)
それから、金融系には悪徳業者もツキモノです。
当然、ファクター選びにもコツがありますので、私が独自調査で信頼できるファクタリング会社を一覧にしているページがあります。
参考にしつつ、ファクター選びをしてみてください。